ローイングマシン(エルゴメーター)は、全身の筋肉を使いながら有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行える、非常に効率的なフィットネス機器です。
正しいフォームとトレーニングメニューを組み合わせることで、ダイエット・体力向上・筋力強化のすべてを1台で実現できます。
この記事では、ローイングマシンの効果・正しいフォーム・目的別メニューの組み方・筋トレとの組み合わせまで詳しく解説します。
この記事を読む前に全体像を押さえたい方は、筋トレ器具は自宅に何を揃えるべき?目的別にわかる失敗しない選び方もあわせてご覧ください。
ローイングマシンで得られる効果と鍛えられる筋肉

ローイングマシンが全身運動として優れている理由
ローイングマシンは、1回の動作で全身の筋肉の約86%を使うと言われる、非常に包括的なフィットネス機器です。
足でプッシュし、腕で引き、体幹で安定する一連の動作が、下半身・上半身・体幹を一気に動員します。
ランニングや自転車と比べて上半身(背中・腕)も同時に鍛えられるため、全身のバランスのとれた体づくりに貢献します。また着座した状態で使用するため、膝・足首への衝撃が少ないのも大きなメリットです。
ローイングマシンで鍛えられる主な筋肉
ローイングマシンで主に使われる筋肉は以下の通りです。
下半身:大腿四頭筋(太ももの前)・ハムストリング(太ももの裏)・大臀筋(お尻)・ふくらはぎ
体幹:腹直筋・脊柱起立筋・腹横筋・腸腰筋
上半身:広背筋(背中)・僧帽筋・菱形筋・三角筋・上腕二頭筋・前腕
これだけ多くの筋肉を同時に使うことで、消費カロリーが高く、体力向上・ダイエットに非常に効果的です。
ローイングマシンのカロリー消費量と有酸素効果
体重70kgの人が中程度の強度でローイングマシンを30分行った場合、消費カロリーは約250〜350kcalです。
高強度インターバルで行った場合は400kcal以上になることもあり、ランニングに匹敵するカロリー消費が可能です。
心肺機能への刺激も高く、継続することで心臓・肺の機能向上・最大酸素摂取量(VO2max)の改善が期待できます。
ローイングマシンの正しいフォームと使い方

ローイングの基本動作4フェーズ
ローイングの動作は4つのフェーズに分かれます。
フェーズ1:キャッチ(開始姿勢)
膝を胸に引き寄せて前傾みになった姿勢でストラップにかかとを固定し、ハンドルを軽く握ります。背中はやや前傾で、腕は伸ばした状態からスタートします。
フェーズ2:ドライブ(押し出し)
足をプッシュしながら脚を伸ばします。この段階では腕はまだ伸ばしたまま。まず下半身で力を発生させます。
フェーズ3:フィニッシュ(引きつけ)
脚が伸びたら、体幹を少し後ろに傾けながらハンドルを胸下(みぞおちあたり)まで引きます。肘は体の横に沿わせるようにします。
フェーズ4:リカバリー(戻り)
ゆっくりと腕を伸ばしながら、体幹を前傾させ、膝を曲げてスタート姿勢に戻ります。
よくある間違いフォームと修正方法
初心者がやりがちなフォームの間違いと対処法を紹介します。
腕で引きすぎる:ローイングは「足→体幹→腕」の順で力を使うのが正しいです。腕から引き始めると背中・脚への効果が半減し、肩の怪我リスクが高まります。
猫背になる:背中が丸まった状態でのローイングは腰痛の原因になります。背筋を張り、胸を張った姿勢をキープしましょう。
スピードを上げすぎる:初心者は動作を早くしようとしがちですが、フォームを崩してまで速くする必要はありません。1分間20〜24ストローク(SPM)が初心者の適正レンジです。
ダンパー設定(空気抵抗の調整)の目安
エア式ローイングマシンには「ダンパー(空気取り入れ口の開閉)」という設定があります。
数値が大きいほど空気抵抗が強く、漕ぐのが重くなります。
初心者〜中級者:3〜5が適切。軽すぎず重すぎず、正しいフォームを維持しやすい設定です。
上級者・高強度トレーニング:6〜8に設定し、1ストロークの力を最大限に発揮するトレーニングをします。
ダンパーを最高(10)にすれば最も効果的というわけではありません。高すぎると筋疲労が早くなりすぎて有酸素効果が落ちます。
目的別ローイングマシンメニューの組み方

ダイエット・脂肪燃焼向けメニュー
脂肪を効率よく燃焼させるためのメニューです。
20分ステディーステートメニュー(初〜中級者):
• 2分ウォームアップ(ゆっくり・軽め)
• 20分間一定ペース維持(SPM 22〜24、心拍数最大心拍数の65〜70%)
• 3分クールダウン
心拍数が維持カロリー燃焼ゾーンに入ることで、脂肪をエネルギーとして優先的に使います。
インターバルメニュー(中〜上級者):
• ウォームアップ:5分
• 高強度:500m全力漕ぎ→2分休憩×5セット
• クールダウン:5分
インターバルの高強度漕ぎで心拍数を大きく上げることで、アフターバーン効果が高まります。
体力・心肺機能向上向けメニュー
体力・持久力を高めたい方向けのプログラムです。
30〜40分ロング漕ぎ:SPM 20〜22の安定したペースで、30〜40分連続して漕ぎ続けます。初めは10〜15分から始め、毎週5分ずつ延ばしていきましょう。
ピラミッドメニュー:500m→1000m→2000m→1000m→500mという距離のピラミッドで行います。各セット間に距離の半分の時間を休憩に充てます。
ローイングマシン筋力強化・筋肥大向けメニュー
筋力を高めたい方向けの高強度ローイングメニューです。
スプリントインターバル(高強度・短時間):
• 20秒全力漕ぎ(SPM 30以上)→40秒休憩×10セット
• 全力で漕ぐことで筋肉への瞬発的な負荷が最大になります
1分インターバル:
• 1分全力→1分休憩×8セット
• 合計16分の集中したトレーニングで全身の筋持久力を高めます
ローイングマシンと筋トレ・有酸素運動の組み合わせ

ローイングマシンと筋トレを同日に行う際の順番
筋トレとローイングマシンを同じ日に行う場合は、目的によって順番が変わります。
ダイエット・脂肪燃焼が目的:筋トレ(30〜40分)→ローイング(20〜30分)の順が効果的です。筋トレで糖質を消費してから有酸素運動を行うことで、脂肪をエネルギーとして使いやすくなります。
心肺機能向上が目的:ローイング(20〜30分)→筋トレ(30〜40分)の順でも問題ありません。
体力を温存して筋トレに集中したい場合:ローイングは筋トレ後に行いましょう。
ローイングマシンを週間プログラムに組み込む方法
ローイングマシンを週間トレーニングプログラムに組み込む例です。
週4日プログラム(全身バランス型):
• 月曜:上半身筋トレ+ローイング15分
• 水曜:ローイング30〜40分(有酸素集中)
• 木曜:下半身筋トレ+ローイング15分
• 土曜:ローイングインターバル(20〜25分)
クロストレーニングとしての活用
ランニング・水泳・サイクリングなど他の有酸素運動と組み合わせて、クロストレーニングとして活用することも効果的です。
ランニングで膝に疲労が出た日に、膝への負担が少ないローイングに切り替えることで、回復しながら有酸素運動を継続できます。
同じ運動ばかり行うと体が慣れてしまいますが、複数の種目を組み合わせることで、常に新しい刺激を与え続けることができます。
ローイングマシンメニューを続けるための注意点とコツ

腰痛を防ぐための正しい姿勢管理
ローイングマシンで最も多い怪我が腰痛です。
腰を丸めた(猫背の)姿勢でのローイングは、腰椎に大きな負担をかけます。フィニッシュポジションで体を後ろに倒しすぎる(45度以上)のも腰への負担が増します。
体の後傾角度は最大30〜45度程度に留め、背筋を張った状態を常に維持しましょう。腰痛が出た場合は、フォームを確認してから再開することが重要です。
継続するためのモチベーション維持法
ローイングマシンは単調になりがちで、飽きやすいという声もよく聞かれます。
以下の工夫でモチベーションを維持しましょう。
音楽・ポッドキャスト・動画の活用:単調な動作の間、好きな音楽や動画を楽しみながら行うと継続率が上がります。
距離・タイムの記録:毎回の結果(500mタイム・30分の距離など)を記録することで、成長の実感が得られます。
月間目標の設定:「今月は累計100kmこぐ」などのチャレンジを設定することで、達成感が生まれます。
初心者が安全にローイングを習得するためのステップ
ローイングマシンを初めて使う方は、以下のステップで段階的に習得しましょう。
STEP 1(1〜2週間):フォームの習得。10〜15分・低強度でフォームだけを意識して漕ぎます。SPMは18〜20程度を目安にします。
STEP 2(3〜4週間):時間・強度を徐々に上げる。20〜25分・中程度の強度に慣れます。
STEP 3(5週間以降):インターバルトレーニングの導入。本格的なプログラムを開始します。
ローイングマシンメニューに関するよくある質問
Q. ローイングマシンは何分やれば効果がありますか?
A. 初心者は15〜20分から始め、最終的に30〜40分を目標にしましょう。インターバルメニューなら20分でも十分な効果が得られます。
Q. ローイングマシンで腰が痛くなります。どうすれば?
A. 腰が丸まっている(猫背)フォームが原因の場合がほとんどです。低強度・低ストロークで正しいフォームを確認してから再開しましょう。
Q. ローイングマシンは毎日使ってもいいですか?
A. 低〜中強度なら毎日でも問題ありませんが、高強度インターバルを毎日行うのは回復が追いつかない可能性があります。高強度は週3〜4回に留め、残りの日は低強度の有酸素として使いましょう。
Q. エアロバイクとローイングマシン、どちらが痩せますか?
A. ローイングマシンの方が全身の筋肉を使うため、同じ時間での消費カロリーはやや高い傾向があります。ただし両者ともに継続できることが最重要です。
Q. ローイングマシンを選ぶときの重要なポイントは?
A. 空気抵抗式(エア式)か水抵抗式かで感触が異なります。エア式は漕ぐ力に比例して抵抗が変わるため、より自然な感覚でトレーニングできます。
ローイングマシンメニューのまとめ
ローイングマシンは、全身の86%の筋肉を使う最も包括的なフィットネス機器のひとつです。正しいフォーム(足→体幹→腕の順で力を使う・背筋を張る・適切なダンパー設定)を習得した上で、目的に合ったメニューを取り入れましょう。
ダイエット目的なら20〜40分の一定ペース漕ぎまたはインターバル、体力向上ならロング漕ぎ、筋力強化ならスプリントインターバルが効果的です。筋トレと組み合わせることで、全身を効率よく鍛えることができます。
腰痛防止のために正しいフォームを常に維持し、記録をつけながら継続的にトレーニングを積み重ねていきましょう。
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